ニューオリンズ満喫<NOLA – Day 02>

遅めの朝ごはんとして林檎をかじり、テラスで日記を書きながらぼんやりしていた。今日の予定は、まず最寄りのスーパーマーケット・ROUSESに行って食材を買い込むことである。前回ニューオリンズにいくつかのスーパーマーケットを攻めたのだが、その際に一番のお気に入りとなったのがこのROUSESである。食材の品揃えが豊富で、比較的だが価格も安い。12時前くらいにホステルを出てその店に入ったのだが、カートを押しながら商品棚をみていると、明らかにニューヨークよりも物価が安い。ニューヨークでお土産として購入したナッツバーやビールが、こちらでは3割ほど安くなっている。悔しさを噛み締めながら、追加でナッツバーやらを購入した。

わたしはビールや野菜などを買い込み、ホステルに戻ってパスタを作り始めた。トマトソースのパスタにして、赤ワインを飲みながらのんびりと調理する。最後にチェダーチーズをごっそりと載せて美味しく頂戴した。満腹になり強い眠気が襲ってきたので、まだ14時ころだったが、ベッドに入って仮眠をとることにした。昨日朝方に帰ってきてあまり寝ていなかったので、致し方ない。

目覚めるとすでに18時で、かなりの時間眠っていたようだ。19時からはハルカちゃんと約束があり、飛び起きて支度を整える。向かう先は、ルイ・アームストロング公園の向こうにあるレストランバーである。その店では本日オープンマイクが行われており、そこでハルカちゃんと落ち合う予定でいた。ハルカちゃんの他にも、ニューオリンズ在住のキーボーディストの辻さん、大阪から来ているヒューマンビートボックスのアディくんもいるらしい。

路面電車がなかなかやってこず、予定よりも遅れて到着すると、すでにハルカちゃん、辻さん、アディくんのお三方が食事をしながらテーブルを囲んでいた。彼らは出演者リストに名前をサイン済みであり、そのオープンマイクの流れについて解説してくれた。どうやら、名前を書いた順に演奏が回ってくるらしいのだが、すでに始まっているステージを見ていると、みなそれぞれ自分のギターを持ち込んでいるようである。わたしはギターを持ってきていないのでどうしようかという話をしていたら、ハルカちゃんに、一番初めに演奏していた仕切りの女性の方がギターを使っていたので、交渉すれば使わせてくれるのではないかと言う。早速、名前を記入しがてら女性に声をかける。すると、快くギターを貸してくれると言ってくれた。ありがたい。

出演者リストに記名していると、結構な出演者の数である。10組以上は名前が書かれているようだった。辻さんはこの後に別所でのギグが控えており、出番を迎えることなく9時過ぎにはその店を出ることになってしまったので、ひとまず三人でその場に残って出番を待った。しかし、勢いでオープンマイクに来てしまったものの、何を演奏しようか…ひとり最大3曲まで可能ということである。頭の片隅で選曲しながら、他の出演者たちの演奏を聴いていた。
エディくんは、ヒューマンビートボックスにてパフォーマンスした。今まで本格的なヒューマンビートボックスを聴いたことがなかったのだが、音の出し方やリズムのバリエーション、ダイナミクスのつけ方など、その華麗な技術に感嘆した。

わたしは結局、いつもながらのLean on meと、どうせならとオリジナル曲である雲のうえという曲を演奏した。Lean on meは誰でも知っていて口ずさめるし、雲のうえという曲はブルースっぽいコード進行なので、初めて聴く人でも馴染みやすいだろうと思ったからだ。一瞬むりだというオリジナル曲にしようかとも思ったが、わざわざニューオリンズで、歌詞の一節である「むりむりむりむりむりだ」と歌うのも風情がない気がしてやめた。一応英語でMCをして、乾ききった喉で歌詞を間違えながらも二曲歌いあげると、温かい声と拍手をいただいた。帰り際には何人かのお客さんとハグをした。いい思い出感が満載である。

その後、三人で連れ立ってUptownで行なわれているという辻さんの演奏を聴きにゆく。ハルカちゃんの車で連れていってもらったのだが、中心街からかなり離れたゲットー感溢れる場所で、ひとりでは絶対に来ることはないように思われた。車から降りて駐車場から店に向かうまでの十数メートルの距離でも、すれ違う黒人男性が不気味に思える。その店は中心街にあるライブバーとは異なり、演者も観客もほとんど黒人だった。それ以外といえば、わたしたちとアディくんのお友達の日本人がちらほらという程度である。

Let’s stay together、Ain’t nobodyなど、次々とソウルのスタンダードが演奏される。ふだん札幌で暮らしていると、箱バンとしてジャズの演奏は多くても、ソウルの演奏が聴けるお店はごくごく少ないので、とても新鮮である。また、ニューオリンズではこれらの演奏を飲み物代+Tipで楽しめるというのも魅力だ。グラミー賞をとった地元のバンドでもチャージが10ドルと、比較的安価で音楽が楽しめる。

Deepな店と演奏を楽しんだ後は、お誘いいただいて辻家にお邪魔した。部室と言われる飲み部屋で、お酒と謎に美味しいスープをいただいく。オープンマイクに参加していた齢90歳前後のおじいさんの話になる。昔は絶対にヒッピーだったに違いないとか、あのおじいさんが出てきてMCした時点で空気が変わったとかなんとか、とにかくおじいさんの大絶賛をして盛り上がる。最後に、部員登録として写真を撮影し、宴は終了した。Uberを使って車を呼んでもらってホステルに戻ったあとも、ワインを飲みながらゆっくりとその日を振り返った。なんだかすごく楽しかった気がする。もちろん旅人ゆえに楽しい部分が多いのだろうが、ニューオリンズがやっぱり好きだわ。

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